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記:小原祐也(昨年度4回生、現QBコーチ) 

この試合、私は1回生の引率でスタンドから観戦することとなったため、初めて観戦記を書く。ここでは試合の勝敗を分けたプレーについて私の見方を書きたい。私はオフェンスの人間であるため、オフェンスのことばかりになってしまうのはお許しを。

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 1つ目は試合が開始して最初のドライブ。オフェンスは気持ちよく進んでいく。しかし、敵陣に入ったところでボールをファンブル。これが秋の初戦の怖さである。

 この試合はこのファンブルを皮切りに合計5回のファンブルをし、内4回を相手にリカバーされている。ディフェンスはこの試合100%の力を出し切りオフェンスにボールを供給していたが、これでは100%勝てない。

 ファンブルの原因はいろいろある。この試合での主な原因は、「走っているときの姿勢が高いこと」である。姿勢が高いと胸が相手に向かってオープンになりやすく、ボールにタックルが直接入りやすくなる。しかも相手のヘルメットが直接ボールに当たるようなタックルをされると片手の確保ではボールは弾け飛んでしまう。京大のラストプレーのファンブルはこの典型的な形だった。

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2つ目は試合終盤でのゴール前でのミス。形はファンブルであったがあえてミスと書く。あのドライブは京大側がミスをしない限り、確実に点が取れる状況であった。

先ず、試合終盤になって京大のノーハドルオフェンスが効き始めていた。ノーハドルオフェンスのメリットとして、相手ディフェンスの体力を大きく削るということが挙げられる。こちらの体力も削られるが、京大は冬から夏にかけてノーハドルの練習をしていたため体力がついている。試合は終盤の第4Qで相手ディフェンスのセットは明らかに遅れていた。

もう一つはパントブロックによるまさかの失点で龍谷大学が浮き足立っていた。ディフェンスが浮き足立つとは、「自分が守るべきアサイメントに集中できていない」状況だ。人のディフェンスエリアに手を出したり、上手いプレーヤーが「あいつの分も守ってやらなきゃこの状況は止まらない」などと余計なことを考える。こうなるとオフェンス側は攻めたいように攻められる。

あのドライブが始まった時に「ああこれは点が入るな。うちがミスしなければ…」というような状態だったが、まさにそのミスで、この最大の逆転のチャンスを逃してしまった。

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 このように分析口調で書いたが、書きながらなんとも言いようのない感情がわいてくる。

次戦は神戸大学戦。この試合を見た神戸大学は俺らも勝てると張り切ってくるだろう。幸いにもシーズンは始まったばかりで、我々が残り6戦を全勝しなければならないということに変わりない。一戦必勝で最高の準備をして臨むのみだ。

最後に、1プレーだけ登場したQB#88佐々木について書きたい。負けている状況で秋の試合に2回生ながら初登場し、思いっきり奥に投げ込んだ度胸は本当にすごい。結果はインターセプトに終わったが、彼が林田を支え、伸び伸びとプレーすることは、このチームの起爆剤になるのではないかと考える。この秋、要注目である。

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