秋季第6節EXPO FLASH FIELDにて京都大学対神戸大学の試合が行われた。お互い2勝3敗、国立大学同士の一戦。去年屈辱の敗北を喫した京大にとって絶対に負けられない、負けてはいけない戦いであった。 天候は生憎の雨。11月の寒空の下、静かに試合が始まった。

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試合は京大のリターンで幕を開けた。これまでの試合ではリターンで流れを作ってきた京大だったが、いきなりのファンブル。こぼれたボールは京大がかろうじて抑えたが、不安が残る立ち上がりとなった。京大最初のドライブ。リターンでの不安をかき消すように危なげなくゲインを重ねていくと、最後はRB#29入山が神大ディフェンスのタックルを振り切りTD。PATは両校の反則によりペースが乱れるも、K#7大塚がしっかりと決めスコアは7-0に。 続く京大ディフェンスは神大に外のランを上手く使われ自陣35ydsまで攻め込まれる。しかし、京大が激しい粘りのディフェンスを見せ、パントに追い込む。 強くなる雨の中まわってきた京大のオフェンスは、ランを中心に着実にゲインを重ねる。敵陣45ydsまでボールを運び第1Qが終了。

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さらなる得点で勢い付きたい第2Qだったが、開始直後に京大がまたしてもファンブル。こぼれたボールを神大の選手がエンドゾーンまで運ぶと、PATも決められ、7-7。試合は振り出しに戻る。このまま引き下がれない京大オフェンスは、RB#21大上の約40ydsのゲインを皮切りに敵陣10ydsまで攻め込む。しかし、勢いに乗る神大のディフェンスにTDは阻まれFGを選択。これを大塚が正確に決め、スコアは10-7となった。 その後、両校ともにディフェンスが光り、お互い大きなゲインも得点もないまま前半が終了。 点差こそ付かなかったがスタッツ上の獲得ヤード数は182-24と、京大のペースで試合を折り返した。

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日も落ち、雨で気温が下がる中迎えた後半。ここから試合は我慢比べのような展開を辿った。 第3Q、京大ディフェンスは神大オフェンスをことごとく抑える。終始神大のQBにプレッシャーをかけ続け、勝負所で残りインチを連続で止めるなど、決定的なゲインを許さない気迫のプレーを見せる。一方、京大オフェンスは前半気持ちよく出ていたランを止められ、苦しい展開に。お互い大きな動きもないまま第4Qへ。

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第4Qに入っても拮抗した試合展開が続いたが、終盤、リードしている京大が勝負を仕掛ける。ノーハドルオフェンスを展開し、3rd Downで、ノーハドルからのスペシャルプレー。決定打をもぎ取るためのプレーコールではあったが、このパスは惜しくも失敗に終わり、攻撃権は神大に。残り時間わずか。このドライブを守りきるかどうかで試合が決まるという緊張の中、敵陣20ydsから神大の最後の攻撃が始まった。神大は、京大ラインの激しいラッシュをかいくぐり、要所でミドルパスやランを決めていく。執念のオフェンスに、京大は自陣5ydsまで攻め込まれる。残り時間1分。会場中が静まり返る中、お互いのプライドをかけたプレーが始まった。神大はパスを選択。この試合神大QBにプレッシャーをかけ続けたDL#93草野が激しい気迫のパスラッシュを見せる。苦し紛れに投げられたボールはエンドゾーンにいる京大LB#44主将添島の手の中に。これ以上ない歓喜に沸く京大。国立対決はそのまま10-7で終了。今年先頭に立ってチームを率いてきた男が京大の勝利をもぎ取った。