関大戦1_

記:時任晋平(昨年度4回生、現DBコーチ)

11月22日、晴天の王子スタジアムにて、リーグ3位の決定した関西大学と入替戦出場濃厚の京大との試合が行われた。我がチームはこの試合に勝ち、2日後に行われる試合で神戸大、同志社大が勝利し、さらに3校同率順位の中で5位または6位相当を抽選で引き当てた場合にのみ入替戦を回避できるという状況であった。しかし、チームとしては入替戦を意識におかずとにかく勝つ、ということにのみ集中して試合に臨んだ。

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試合は関大のリターンから始まった。関大は自陣23ydsからランプレー中心の攻撃でずるずると京大陣へと攻め込む。約6分半の長い攻撃をどうにか守りきり、パントにて攻守交代。京大オフェンスのファーストドライブは自陣奥深く、ゴールライン前8ydsからの攻撃となった。ところがダウン更新まで至ることなく、パントを蹴るも自陣から抜け出せず、関大に有利な位置でボールを与えることになった。直後関大は長いパスで一気に攻め込むも、京大ディフェンス陣が奮闘し、関大はそのドライブでFGを試み失敗。再び京大に攻撃権が移った。

続く京大の攻撃は、#10玉木のオープンラン、リバースフェイクからのエースWR#82白根へのロングパスによって敵陣に入り、#85大塚がFGを決めて先制点を奪う。

続いて関大はキックオフにて約50ydsのビッグリターン。その後着実にボールを進めるも、スナップミスによって落ちたボールを#94長嶋がリカバーし攻守交代。ターンオーバーでチャンスを手にした京大は、再び#10玉木のラン、#82白根へのパスによってボールを進め、FGにてさらに3点を追加した。

前半残り約4分半、6−0で京大のリード。得点を狙う関大オフェンスだったが、またも京大ディフェンスがボールを奪いとる。関大のWRにパスがヒットした後、#11名智がボールを掻き出した。こぼれたボールを#54麻が拾い攻守交代。ところがその後の京大オフェンスは、ダウン更新を狙った第3ダウンでのパスをインターセプトされ関大にボールを渡してしまう。攻撃権を得た関大は、QBのランプレーで大きくゲインした後、パスプレーをつないでタッチダウンを奪い、前半は6−7、関大のリードで折り返すことになった。

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伯仲した中での第3Qは、京大リターンから。京大オフェンスは#35田嶋、#88佐々木らのキャリーを含め、ランパス織り交ぜた攻撃でボールを進め、最後はQB#17林田から#27向川へのスローバックパスが成功し逆転のタッチダウン。しかしTFPはブロックされ、12−7となった。

その後は互いに攻めあぐね、ゲームは拮抗する。関大にゴール前22ydsからの攻撃権を与えたピンチも主将#29吉村が、執念のボールストリップにより関大RBからボールを奪い取り窮地を救った。

その後もパントの応酬が続き、試合は終盤へと差し掛かる。拮抗を破ったのは関西大学。試合終了までは残り約3分、自陣24ydsからの攻撃をパスプレー中心に組み立て、時間をうまく使ってタッチダウンへとつないだ。TFPも成功し、この時点で残り時間は50秒、京大は12−14の2点のビハインドを追いかけることになった。

キックオフリターンで#1河野がボールを返し、残り63ydsのドライブが始まった。第1ダウンは#80竹内へ短いパスを狙うも失敗。続く第2ダウン、#17林田の投じたロングパスは#82白根の頭上を越え、関大DBの手の中へと入っていった。ボールを手にいれた関大はそのまま時間を消費し、2点の差が埋まらぬまま試合終了のホイッスルが鳴った。この時点で京大史上初の入替戦出場が決定した。

ボール所有時間や、攻撃による獲得ヤードで関大を上回りながらも12−14での敗戦。自分たちのミスによる反則が大きな原因であった。

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その後チームは入替戦へ向けて始動した。創部史上初の入替戦出場、しかも相手はあの水野彌一前監督の率いる追手門学院大学である。負けることは許されないというプレッシャーと、「京大のフットボール」を作り上げた水野前監督が相手である底知れぬ恐怖と戦いながら、チーム全員が覚悟を持って練習に臨む、かつてない状況の訪れだ。臆することなく「京大のフットボール」で母校の栄誉を守る時がきた。